【同人誌】『バウムクーヘンエイト』──年輪なら外側からはがして縮めながらハトにやるのがいいと思った
バウムクーヘンエンド、ってなんなのかと思って調べたら、
「(読者目線で見て)いかにも結ばれそうな二人組、自他共に認める仲のいい二人組の片割れが、物語の中で他の相手と結ばれる展開を指す。二文字目を長音にして「バームクーヘンエンド」とも書く。」
って、pixiv大百科に書いてあった。
ん????なんだ????いったい、ふつうにしんどいぞ????「好きな女の結婚式」というひとこととともに、目が死んでる潔の画があげられていたから、ちょっと心配だったけど、潔はそこまでのことをしただろうか。いや、考えてみれば、ラブレターを平然と破り捨てるとか、なかなかの悪行か……、
潔と漆の関係性は、『百合厨女と外面女』での出会いから、シリーズを通して変化(成長?)している。人気者だけど内なる孤独を秘めている潔が、同じく優等生に見えてもじつは変わり者の漆に、ダイレクトに口にはしないものの、そばにいたいと感じるようになっていく……。
潔は、ちゃんとした人間関係を築いた経験がすくないせいなのか、漆にたいする気持ちに依存や独占欲も入り交じっている。それだけに、この状況から受けるショックが伝わってきて、わたしまで絶望してしまった。
どんな過酷なストーリーになるのだろう、とさめざめと泣いていたら、作者のみぃぬ先生が制作中の本作について「ギャグ」と形容するポストをしている。そんなことあるのか……??と思いながら、サンプルを見てみたら、めちゃくちゃギャグだった。そういえば、前作の『百合厨女妄想夜会』もまったく同じ感じで予想を裏切られていた……。
https://www.pixiv.net/artworks/130765277
タイムループ!? いや、番外編らしいし、前回も超常現象が起きていたから、タイムループくらい起きるかもしれないが!!
サンプルは18ページも読める大盤振る舞いぶりなんだけど、ここまで読むとこの先の展開も気になってくる。ループする時空が変わるたびに、その子と結婚する!?となり、漆が組み合わせに応じた花嫁姿を見せてくれるというサービスっぷり。漆の相手にも固有の仲良しがいるので、その子たちの顔もたのしめます。というかこのあたり、笑いが止まらなくて、作者のギャグセン爆発している……。
考えてみれば紙のほうでは初登場になる麗さんや清廉が見られる他、謎の悪霊退治だの、おでんにかかりまくるチリソースだの、これまでのキャラの周辺を知ってるとたのしめる要素盛りだくさん。『ポニテズ』のにぎやかパッションさが好きなのでよかったです。
全編ぶっ続けにギャグ通しというわけでもなく、当初の期待どおり(?)、潔の漆にたいする気持ちがあふれるところなんかもしっかり描いてくれてます。いつもニコニコ顔をしている外面女だけに、こういうタイミングでいろんな表情を見せてくれたのが、よすぎる~~。
以下、果てしなく個人的な細かいポイント(ネタバレあり)。
・キャラの陰影が線トーンなのが、わたし好みだった。自分でもなぜかわからないけど、線の陰影でくっきり浮かんでく感じが好きなんだ……。
・清廉のウェディングドレス姿(全体)が思ったより頭身高め。なんか可愛いイメージあったけど、美人っぽさも際立っていて、じつによい。
・表紙がエンボス梨地なのは、入稿のタイミングとかが関わってるのかと思った(触れてたポストがあったようななかったような)けど、手触りがレース生地やバウムクーヘンの箱とマッチしていて、ふさわしい。
【バンドリ】『BanG Dream! Ave Mujica』1話──祥子とクソ親父は似た者同士?
先行上映を観たひとが「『ひぐらしの鳴く頃に』みたいな感じだったよ」と発言していました。「ああ、祥子は、アル中親父の頭をかち割るんだな。初華と死体を埋めにいくんだな」と思ってドキドキしていましたが、そんなことはなかったです。
1. ぶっちゃけ『MyGO!!!!!』より空気があたたかい件について
祥子の家庭事情はたいへんなのですが、しょうじきいってムジカのみんながけっこう仲良しで、なんというか、ぬくもりの波動を感じました。いや、きみら??一体、仲良くないか??冒頭から祥子と初華がすでにほんわかした会話をしていて、睦はどんなときでもついてきてくて、なんかもうみんないいやつじゃん……。
にゃむちだって、次回予告で元気な顔見せているところを見ると、あれだけのことしても干されたりとかしないわけでしょ。次の週でしれっとピヨンセが代わりの新メンバーに加わったりとかしないわけでしょ。
冒頭からメンバー全員ギスギスしまくって、他人を踏み台にする気満々だった人間(長崎そ○など)とかいたMyGO!!!!!に比べるとしょうじきぬくもりがあった。というか、改めて考えるとマイゴのギスギスぶりがやべえ……。
2. そよのLINEをブロックする悪の女
わたしがMyGO!!!!!で好きな女は長崎そよなので、もともと祥子に対する印象はよくないです。だって、ベッドに寝転がって死んだ目でLINEを送り続けるそよが見てられない……、ああ、ひとをブロックしておきながら、ほかの女と笑顔でたのしそうに……、しかも、母のためクラスメートのためあんなに頑張っているそよを「自分のことしか考えていない」だと、ななななななんてことを……、、、
こんな悪の女が主役とは。ムジカ編はぜったいに微妙な心境で観ることになるな……、と思いながら観はじめましたが、豊川祥子はなんて善い女なんだ……。
3. そよのLINEに喜ぶ善の女
マイゴの最終回の様子から、もっとこう、キリッとした感じで、日常を過ごしていたと思うじゃないですか。なんで箱入りのお嬢様が、あんなきったねえ部屋で、頑張って家事に勤しんでるのよ。しかもあのクソ親父が見捨てられないからって??根が“善”じゃんもう……。
マイゴの過去編ではピュリビュリピュリティーな感じだったのに、自転車引いて雨の中走って、こんなくたくたな表情になるなんて……。
「スズメの涙ですわ……これでは……」
見てください、この通帳を見る顔と声の痛ましさとやるせなさ。はあ、美しい。
それでいて、友だちとのバンド活動は続けたい……って、そうだよねえ、まだ中学生だよ。プリティーリズムのべる様だって、いざプリズムショー辞めさせられそうになったら、めっちゃ泣いてたよ……。
あーー、もう、そよからLINEがきたときの「そよ!」っていう光が差したような明るい声と表情が切なすぎる。まじでなに??LINEをもらえただけでそんなうれしいのか??お、おぉ……
いちおうMyGO!!!!!でも、そよが新バンドを組むときいたときに、悲痛そうにピアノ弾き続けるシーンはあったけど、やっぱそよも祥子にとって大切なひとだったんだ……。
4. 「クソ親父」ということばがカッコよく見えてきた
そんな切ない過去を見た後だと、いまの祥子が、飲んだくれの親父を担ぎながら、「わけわからないことをいってないで、ホラ!!しっかり!!」っていうのが頼もしいわけです。そうそう、これくらいの気合いじゃないと、クズなクレーマーとかそういうの相手できないだろうからな。このマッスルな言葉づかい、社会のTOUGHを摂取してきたからこそのもので、「スズメの涙ですわ……」といっていたころの箱入りとはちがうのだ。「クソ親父」というワード、やさしいおとうさまの変貌に悲しむだけだった過去とはちがい、ダメ親父を引っ張ってやろうというアグレッシブさがうかがえてじつにいいです。
5. ウソップの84倍金を盗られた男
クソ親父が事業の失敗とかではなく、詐欺で168億円盗られたというのが衝撃的でした。ウソップがウォーターセブンで盗られた額の84倍だよ??ビッグ・マムとカイドウを同時に倒しても返せない金額。さすがのルフィでも顔が変形するまで殴るんじゃないか。
6. じつは祥子と似た者同士?
とはいえ、あそこまで落ちぶれても祥子に見限られなかったあたり、元来のひとの良さがあったのでしょう。もともと祥子の魅力は、猪突猛進でピュアなカリスマ。そこは親子。この現クソ親父も世界の恵まれない子供たちのためにうっかり168億円募金してしまったとか、そういう事情があったのかもしれません。
考えてみれば、周囲になにもいわずにとつぜん出ていってしまうやり口は、クライシック解散時の祥子と同じです。祥子に「いなくなってくれ」といったのは、なかなかの残酷シーンのような演出なのですが、自分とちがう世界の人間と一緒にいたくないという点では似通うものがあります。「祥子→クソ親父」を「そよ→祥子」に置き換えてみると、認識がまたちがってくるかもしれません。
根はいい男なのです。最終回ではアヴェムジカのライブのきらめきで浄化されて、さわやかな表情でローソンまで走って面接にいくと信じています。
7. やっぱマイゴ
とつぜんの愛音。とつぜんの明るい背景。おおおおーーー、会いたかったぞわが友(モナミ)ーーーー!!!!
そしてふつうにアヴェ・ムジカのライブをたのしんでチケット手に入れて一緒に見に行こうよーと誘う圧倒的空気クラッシャー。でも燈やそよはこれに救われてきたんだ……。
前作ではあんだけギスギスしていたマイゴが完全に愉快な賑やかし要員です。「りっきーがアヴェムジカの動画に『フンッ、なにこれ??』といったら神」とか「そよが『燈ちゃんが迷惑しているから私が一緒にいく』といったら神」とかメモっていましたが、期待を裏切らないので、もう神アニメ確定しました。
にゃむちが脳汁ドバドバ出しながら仮面を外したときの「やっぱにゃむちじゃーん」という軽薄全開の愛音の声がたまりません。心底どうでもよさそうなそよの表情も最高です。テレビの前のわたしはめっちゃ驚いたし、にゃむちもどうだといわんばっかりの顔だっだろ!? てかなにその隣方彼女面みたいな配置!?
ダークな世界観ながら、可愛さの黒い奔流がほとばしる、おそろしい1話でした。たのしみな要素が満載すぎて2話がいまからたのしみです。
【武者小路実篤】『馬鹿一』──自分の絵柄をAIから守りたがるのは当たり前?
AIトレスが話題になっている。画像生成AIで出力したイラストの線画だけをトレースして、自分のオリジナルとして投稿した代物だ。ウマ娘やブルアカなどの人気コンテンツで、ここ最近見られるようになってきたらしい。
見ると、デッサンや構図の上手さに比して、線画や配色が明らかに拙い。太さが均一のぐにゃぐにゃした線、エアブラシで殴っただけの塗り。イラスト制作において上手くなっていくであろう順序が完全に逆転している。
バレバレすぎるだろ……、と思ったが、見る人の大半は気にかけないようで、4桁5桁のいいねとリポストがおこなわれていた。引用RPを見れば、世界各国から応援のメッセージが届いている。一方、わたしが5日前に投下したマンガなど制作時間16時間であるにも関わらず、リポストは0。応援メッセージなんてとうぜんない。刺す。そう思った。大悪党だと思った。
友よ(モナミ)、2ページしかない癖にそんなに手間がかかっているのか、と思うかもしれないが、この2ページ分以外にもつくる必要があるものがそもそも多いのだ。
まず、頭の中で考えた筋書きがきちんと伝わるようにネームをつくらなくてはいけない。これが意外と思うようにいかず、試行錯誤するうちに話が変わってしまうこともある。
それから、新キャラのデザイン。これが天啓のように浮かぶものではない。既存のキャラと被らず印象に残るものを生むために、微妙に姿のちがう試作を何回も描く時間が必要になる。決まった後も、とうぜん描き慣れていないから、登場してしばらくは、自分でつくった見本をみながらなんとか手探りで形を彫り当てていかなくてはならない。
構図に関しても、描き慣れていない身だから、ネームに合わせたシーンを描くのに時間が必要になる。フカンやアオリは直感で描くとかなりおかしなものになる。イラスト指南本やデッサン集、他人の作品などを見ながら練習しなければいけない。さらには背景を描いて、それが部屋なら、持ち主の人格が反映されたものを配置して……、と、細部まで描く必要も生まれてくる。
わたしはもともとミステリ書きなので、セリフやシーンには含みを持たせる。このシーンをよく見てみると……、というネタはけっこう仕込むほうだ。しかし、指摘されることはまずない。大半のフォロワーはそもそも読まないし、読んだとしてもさらっと目を通すだけだ。しょうじきなにか感想いってくれるだけでもそのひとが神の使徒かなにかに見えてくるレベルである。
うーーーむ、なんか考えれば考えるほど、マンガ制作というのはクレイジーな行為だ。すくなくともイラストでちやほやされたいだけなら、画像生成AIでポンしたほうが圧倒的に早くて効果もあってお得だろう。絵描きアカウントは繊細なひとが多い印象があるかもしれないが、そもそも平均的な人間なら、もっと早い段階で精神が折れるであろうレベルのことを継続して続けてきたわけだから、集中力も精神力も計り知れない。なにが描く人たちの後押しをしてきたのだろうか。
作品をつくる上でのわかりやすい見返りは、いいねや感想だ。しかし、それらだって確実にもらえるという保証はない。いいねされたいなら先述の通り画像生成AIを使って量産したほうがよほど手軽で確実だろう。
描くモチベをあげるのは大変だ。わたしも「こんなに手間かけて描いてるの冷静に考えて意味わからないな……」と気がおかしくなることがある。16時間かけた感想が返ってくれば十分な見返りにはなるが、それが当たり前の世の中になったら、わたしは好きな作家に長時間かけて感想を書き続けるだけの人生になるので、マンガを描く暇などなくなる。
なぜそれでもわざわざ描いているのか、といえば、感覚的には、作品を生み出すこと自体の満足が主な動機になる。“自分”の世界が外に展開されていくこの神秘的な感覚。けっきょくは自分の内面を外に出していきたい、という表現活動への欲求が根底にある。
こういう背景があるので、画像生成AIでポン、というのは、いくらいいねされたとしても欲求を満たせない。似ているようで質は異なる。たんなる「上手い絵」ではなく「自分のアイデンティティーを乗せた上手い絵」を出したい。「自分の絵柄で描く」というのが必要条件なのだ。
自分の絵柄を守るために「AI学習・自作発言禁止」という注意書きをつける絵描きはすくなくない。絵柄には描き手固有の歴史がこめられている。自分の一部同然であり、描く理由それ自体でもある。死守したい、と強く思うのはとうぜんのことだ。
たいして絵に時間を割いているわけではないわたしでも、自分の作品にかかった手間のことを思うと、このような思いは感じられる。けっこう軽いノリで「生成AIに振り回されるバカな絵師」みたいな冷笑的な言及を同意見とばかりにリポストでTLに乗せる人がいるが、内容の是非はともあれ、絵師と付き合いがあるなら、ブロックされる覚悟はしたほうがいい。「無知による怒り」ではなく「無関心への怒り」がそこにはある。
「そうだよ。君は他人の説ばかり受け売りしているじゃないか。自己に徹していない。独立した一個人になれないものは、僕はまだ人間になっていないと思っている」
(武者小路実篤『馬鹿一』)
武者小路実篤の『馬鹿一』は、書道や絵画など、作品制作を行うひとたちを中心にすえた短編集だ。表題作の「馬鹿一」はその名の通り、『真理先生』にも登場した絵描きの馬鹿一が主役の一編である。
馬鹿一は独り身の絵描きだ。そこらへんの石ころや雑草のようないかにも見映えのないものばかりを描いていて、技術も拙いから見向きされない。中年で、見た目はイケておらず、教養もない。そのくせ口からは「自分の作品は1000年後に評価される」という大言壮語が飛び出す。いまならウェブでおもちゃにされそうなタイプの人間といっていいだろう。
しかし、この馬鹿一はカッコいい。周囲からなにをいわれても、自分が描きたいものを描いて、それが良いものだと信じられる。その場その場の見返りよりも、自分が作品を描いていることそれ自体に価値を感じられる人間なのだ。
ひとがそれぞれ個性を伸ばしていていくことで世の中はどんどんよいものとなっていく。『友情』などで武者小路実篤が描いてきた考えは、大戦を助長して、無数の意味のない死に向かい合うこととなった。戦後は、大衆の無関心と作品の大量生産によってこうした個人中心の考え自体が隅に追いやられていくことになる。馬鹿一はちょうど戦後間もない頃に生まれたキャラクターだ。
『真理先生』では馬鹿一の作品は大画家の白雲に影響を与えて、馬鹿一は白雲からモデルを紹介されたことで、互いに創作活動を刺激しあうことができた。この筋書きは戦前から武者小路実篤が描いてきた理念通りで、馬鹿一は自らの作品制作にたいする見返りを受けたことになる。
しかし、もしも偶然白雲の目に止まらなかったら、どうだったのだろう。馬鹿一は不運なまま一生を終えたのだろうか。そうは思わない。自分や世の中がよい方向に向かおうが向かうまいが、この男はやはり絵を描くことを楽しみ続けただろう。馬鹿一の周囲の人間は、かれをからかいながらもその楽天的な気質に癒されている。
僕たちが気がむしゃくしゃしたり、いろいろ不愉快なことがあると、馬鹿一の処につい足が向くのだ。馬鹿一に逢っていれば、世間のことは忘れる。そしてこんな呑気な生活をしている人間もあるのだ。あくせくするのは馬鹿げていると思うのだ。
(武者小路実篤『馬鹿一』)
【雑記】『金田一少年の事件簿』他──アクセス数10000間近!!ブログ内の人気記事5つをセルフ評価するぞ!!
アクセス数の合計が10000に届きそうだ。これまで気にしたこともなかったが、いざ到達するとなると、めちゃくちゃ気になってくる。
だって10000だぜ……??
お札(日本円)の最高単位はいま10000円だ。われわれが日常で目にするもっともスペシャルな数字。これに合計アクセス数が届こうとしているのだから、ドキワクになるに決まっているだろう。
伸びる記事を投下してアクセス数を増やしたい。どうすればいいか。とりあえず過去に延びた記事を見て参考にするのがよいだろう。
というわけで、2024年11月現在の弊ブログの注目記事トップ5についてセルフチェックしていくぞ!!
1. 【マンガ】あえて『金田一少年の事件簿』の被害者を5段階で評価する
はーーー????なんで2番目にあげた記事がずっと1位を維持しとんねん!!!!おれのブログ執筆技術がそんなに向上していないというのかクソめクソめ!!!!(ゲシッゲシッ!!)
嘘をつくんじゃあない。これはそもそもバズることを意図してつくった記事だ。これが注目記事1位であり続けているのは、大成功なのである。
格づけが好きな人間は多い。わたし自身、アニメやゲームの最強ランキングを、クズ記事だとわかっていてもついつい見てしまう。
『金田一少年』を選んだのは、ブログを開設したときにツイッターで金田一少年関連のフォロワーが多かったためだ。目論見通りにRTされて、この記事はずっと注目ナンバーワン記事である。
というわけで、
① ランキングなどの格づけ記事をつくる
② Twitterのフォロワーの関心事を記事にする
このあたりが手っ取り早くアクセス数を増やすのに役立つだろう。なんなら、この『金田一少年の事件簿』の被害者評価の第2弾(CASEシリーズ)をやるだけでもある程度伸びそうな気がする。
さっそく解決してしまった。しかし、今回は注目記事トップ5について書くと誓ったので、続けていく。
2. 【米澤穂信】『ボトルネック』──主人公ははなまるうどんで満足すべきだった?
「『ボトルネック』を読んだが、内容がよくわからなかった!!」みたいな読者が検索でたどりついたのだろうか。人間、格付けに劣らず、考察なるものが好きなものだ。しかも「セイジ先生は元ロケット団」のようなデタラメに限ってよくバズる。
推理小説好きにはわかるだろうが、思考の飛躍には感動がある。デタラメな考察というのは、精密さはなくとも、まちがいなく思考の飛躍があるゆえ、読む人間に与える感動は大きい。陰謀論が流行るのもとうぜんのことだ。
弊ブログのこの記事も「主人公はスプラやったほうがいい」と飛躍を入れて記事を締めている。いい感じに考察がもとめられている作品に、いい感じに思考の飛躍を入れるというコンボはありだね~。
3. 【紫式部】『源氏物語』「蛍」──玉鬘が“物語論”をきかされる相手だった理由
この記事いいよね~。わたしも好きだね。『光る君』の連ドラ化もすこしは影響しているのだろうか。『源氏物語』関連はストックが大量にあるわりに、ぜんぜん記事にしてなくて呆れたものだ。もっとあげていこう。
4. 【ポール・スローン】“ウミガメのスープ”のベスト10問を紹介!
これも一種の「格づけ記事」といえるだろうか。LTPパズル好きは世にたくさんいるはずだからな……。
わたしは原典主義で、自分で作問するときも、ポール・スローンが『Lateral Thinking Puzzlers』やほかの著作で掲げている理念にあわせている。これは推理小説にも応用していて、わたしにとっては原点とでもいうべきパズル集だ。スローンの著作と合わせて、そこらへん説明した記事を書きたいな……。
5. 【ドストエフスキー】『罪と罰』──「ファッションキチガイ」という言葉が嫌い
それな、となるような記事だ。自分で書いたんだから当たり前だが。
ドストエフスキー自身の知名度に加えて、興味を惹くもしくは共感を呼ぶタイトルが、アクセス数増加の秘訣だろう。
ところでこのブログって、ドストエフスキーをまだ二回しかとりあげていなかったんだな。『源氏物語』に劣らず記事ストックが大量にあるのに……。や~~、もっと書きたいな!!(「書く」ではなく「書きたい」なのがポイントである)
2025年から『情報』科目が共通テストに加わる。わたしも目下勉強中である。
学習内容に含まれている「情報デザイン」について考えると、このブログはなんかもうめちゃくちゃだ。字はつめつめ。内容はあちこちに飛ぶ。スキーマ頼りで親切さゼロ。もうとにかくわかりづらい。ブログを読みにきてくれるひとの立場にぜんぜん立っていない。恥ずかしい限りだ。
わたしは小嶋元太くらいの知的水準の読者にも弊ブログをたのしんでもらいたい。元太の中でうな重と同じくらいの位置にこのブログがきてほしい。
『ラーメン再遊記』2巻を読んでいたら、「店に閑古鳥が鳴いているのに気取ってばかりで対策をしない」というバカなラーメン屋が登場した。作中に登場するハゲのキャラクターに共感しながら、「なんて愚かなラーメン屋だ」と嘲っていたが、考えてみれば、弊ブログもこのラーメン屋と大差ない。
もっとわかりやすく、それゆえさらにおもしろく。アクセス数が10000になった暁にはもっとブログを強化していこうとこころに決めたのだった。
【同人誌】『百合厨女妄想夜会』──すべてが公式なのに読み心地が二次創作!?
[静の流法(モード)]
『ポニテズ』の二次創作アンソロジー『百合厨女妄想夜会』が届いた。みぃぬさんという方が描いたものだ。原作の『ポニテズ』にそっくりな絵柄で、コマ割りから、キャラのやりとり、ネタの入れ方まで、まるで作者本人が描いたかのようなハイクオリティの一冊だった。
メインキャラは漆と潔。きっと『百合外』本編の流れから、じっくりとねっとりとふたりの執着がうずまく淫靡な交流を描くのだろうな……、と思っていたら、のっけから後輩たちが描かれた同人誌を読んだ漆さんが「ウルトラマックスデリシャス!」などといいながら興奮で身体を震わせていた。ものすごいバカエロ本だった。
読んでみると、漆さんの頭の中を覗いているかのような内容だ。もうなんか可愛さ愛しさあまって笑いが出てくる。作中作の後輩百合本は『ポニテズ』のメイン3人が絡んだものだが、いかにも「この子たちが(ピーー)するならこんな感じになりそうだな……」と思ったものままだ。漆さんがそれを読みながら、「解釈一致」といいだすものだからさらにおもしろさ倍増だ。
このアンソロジーは、『妄想夜会』という名の通り、作品の虚構性が強調された構造になっている。
郡司、すみ、朱が絡み合う掌編それぞれは、作中世界においても存在してない作中作。それも妄想具現化博士(55)なる存在が具現化したもの。そしてそれを読んで盛り上がる漆と潔のいる世界は本編のパラレルワールド。そもそもこの作品自体が本編の作者のみぃぬ先生が自分で描いた二次創作という体裁……。二次創作の中に二次創作が入っている、というマトリョーシカ構造だ。
これによって、「妄想の世界」というのが強調されているゆえ、気を負うことがない自由な世界をたのしむことができる。公式が描いているのに、読み心地はちゃんと二次創作。逆に漆と潔の絡みは、ひとつ外のマトリョーシカにあるから、現実味がやや増して官能度がプラス……。うーーむ、うまい仕組みだ。
あらゆる要素が公式なのに、読み心地は非公式で、それゆえにおもしろくてたのしい。満足の一冊だった。
[動の流法(モード)]
・二次創作の世界にある二次創作に登場するすみの脳内の中でしか郡司が脱がない。銭湯ではいちばん脱いでたのに……!!
・(引っ掛かるかもしれないので削除)
・(引っ掛かるかもしれないので削除)
・(引っ掛かるかもしれないので削除)
・すみのスタイルの美しさがしっかり見られてよかった。朱も宇宙の神秘を感じるほどだった。
・(引っ掛かるかもしれないので削除)
・朱の挙動のすべてがしょうじきおもしろい。
・ポニテズなのに、みんな有事の際はロングズじゃないか……!!と思ったが、すみちゃんだけはポニテを最後までつらぬいてくれていた。
・インナーのロゴで「PONITE」であることを主張し続ける外面女。
・(引っ掛かるかもしれないので削除)
・……瑞陽は!?
【パワプロ2024】笹木パンダス──悲劇のエース編/前編【マイライフ】
【クリア条件:入団5年以内に日本シリーズ優勝】
5年前、奥万倉新一(通称:パワプロ)は、荒れ狂っていた。養父母の家を抜け出して以来、バイクを乗り回して、ケンカと酒に明け暮れる日々。自分は何のために存在するのか。そんなこころの悲鳴を表現するかのごとく、すべて破壊し続けていた。
そんな日々にも終わりがやってくる。奥万倉はこれまでの所業の報復として、ならずものの集団に金属バットで袋叩きにされていた。やつらの眼は明らかに異常だ。このままでは殺される──。
しかし、そこにひとりの男が現れた。ボランティアで保護観察を行っていた笹木パンダスの監督、真理先生。真理先生は金属バットによるリンチを受けながらなんとか奥万倉を助け出した。
「バットはひとを殴るためのものじゃない。夢を放つためのものだ。新一、俺と一緒に野球をやってみないか……」
真理先生のことばは、絶望の中にあった奥万倉のこころに深く突き刺さった。
この日から野球青年となった奥万倉は、エース級投手として成長。5年後のこの日、真理先生のいる笹木パンダスに入団することとなった。
「俺を救ってくれた監督のため、必ずパンダスを日本一にしてみせる……!」

しかし、現実は甘くない。笹木パンダスはセ・リーグ最下位常連の弱小球団。日本一になるのが容易ではないことはすぐにわかった。
「ようルーキー、はじめての登板はどうだった?」
レギュラーの遊撃手マイケルが、親しげに話しかけてくる。
チームのムードは良い。メンバーも高い潜在能力を持っている。しかし、他球団に比べて、基礎能力が格段に低い。球界データを見ると、おどろくことに、どの項目に関しても12球団中最下位だった。
このままでは、クライマックスシリーズどころか5位に浮上することすらできない。


「大丈夫だ。俺がチームを引っ張っていけばいい……!」
毎朝4時に起きてただひとりピッチングに打ちこむ奥万倉。そのストイックな努力によって、中継ぎ投手として成長していき、二年目にはオールスターに選出されるまでになった。しかし──。


どんなにひとりの選手が強くても野球は勝てない。3年目の交流戦、パ・リーグ最強の球団・鬼神デストロイヤーズとの試合で、パンダスは24対0という信じがたい大敗を喫することになる。もはや野球のスコアとは思えない大炎上を起こしたのは、奥万倉の後に抑えとして登板した大河くるみだった。

もともとスタミナがFしかなくて打たれ弱いくるみ。控え投手もなく体力の限界を迎えた中、ただ投げて打たれ続けるのは公開処刑に等しかった。
猛暑の中、棒立ちになって一方的に点を取られ続けられるだけのパンダスに観客たちは激怒。暴力的なヤジが飛び交い、中身の入った缶がグラウンドに投げこまれた。
チームメイトを守るために静止しようとする奥万倉だったが、暴徒と化した観客たちは聞く耳を持たない。試合は中止。奥万倉は、観客に羽交い締めにされ、そのまま袋叩きにされた。
「この程度のことがなんだ。監督と出会う前の、あの地獄と比べたらたいしたことはない……!」
全身にアザをつくって、ボロ雑巾のようにグラウンドに横たわる奥万倉。やがて空に厚い灰色の雲が広がり、雨が降り始めた。
奥万倉の頬に、一筋の水滴が伝った。
「わあああああぁぁああ……!! やぁだあああっ!!」
翌日の試合、控え室にもどった奥万倉は、だれかが泣き叫ぶ声を耳にした。大河くるみだ。抑えに向かうはずの大河くるみが、狂乱して逃げ出そうとしているのを、チームメイトたちが、必死に押し止めようとしていた。
奥万倉は舌打ちをした。抑えがいなくては勝てる試合も勝てない。さっさとマウンドに立たせなくては。不貞腐れたような表情で奥万倉は、泣き叫ぶくるみの許へと歩いていく。その腕を掴んで静止したものがいた。右翼手の華鳥蘭子だ。
華鳥はいう。くるみはもう限界だ。ここで無理に登板させられたら、これ以上野球を続けることができなくなる。
「わたくしね、気づいたことがあるの。野球ってたのしくないわ!」
野球に救われた過去を持つ奥万倉にとって、そのことばは人生を否定されたも同然のものだった。
「野球は、大勢のひとを笑顔にできるんだ。こんな素敵な職業、ほかにないじゃないか!」
けっきょく、くるみは登板しなかった。抑え不在のパンダスは逆転負け。その夜、奥万倉は、ベランダで雨に打たれながら声をあげて男泣きした。
オールスター戦。笹木パンダスから出場することになったのは、奥万倉ただひとりだけだった。
奥万倉の眼に生気はなかった。ほかのチームのスター選手がかける声にもろくに返事ができる状態になかった。
奥万倉は野球を辞めるつもりだった。
気づいたのだ。チームを引っ張るなどといっておきながら、けっきょく自分ひとりのことしか考えていなかった。仲間たちと連携練習を行っていれば、もっと結果は変わっていたはずだ……。きっとかれらは、自分勝手なチームメイトのことを嫌っているにちがいない。
「俺に、野球を続ける資格なんか……」
しかし、応援してくれるファンたちを裏切るわけにはいかない。沈む気を押し隠してマウンドに立ったたとき──、
「新一!」
観客席から声が聞こえた。見ると、そこには十数年近く合っていなかった義理の両親と、パンダスのチームメイトの姿があった。
パンダスのメンバーたちは、奥万倉を嫌ってなどいなかった。弱小球団の中でも、奥万倉がストイックに練習を続けて、オールスターにまで出場できたことは、パンダスのメンバーのこころに火をつけていたのだ。
「おまえはおれたちの誇りなんだ。抑えてくれよ……!! この最高の舞台でよ……!!」
マイケルがいう。そして、奥万倉の眼に輝きが戻った。
打席に立つは鬼神デストロイヤーズの三番バッターで、パ・リーグ最強打者のひとり、蒼唯ノア。
だが、怖れることなどない。どんなにやられようが、どんなに打ちのめされようが……、
「俺は自分の野球を信じる!!」

奥万倉のチェンジアップが静かにミットに収まる。そして、満員の球場が歓声に包まれた。
シーズンが終了した。パンダスは相変わらずの最下位。しかし、奥万倉たちの眼は死んでいない。すこしずつではあるが、パンダスの勝率は上がってきている。
この先何年かかるかわからないが、必ずこのチームで優勝しよう、と奥万倉はメンバーに声をかけるのだった。
GAME OVER
☆
さすがにチームが貧弱過ぎて5年で日本一は無理でした。20点とかとられているからねこのチーム。
しかし、奥万倉新一の努力は無駄にはなりません。かれは継承選手、強力な中継ぎとしてこれからもパンダスを支える一員としてやっていきます。
5年経っても最下位を脱出できなかったパンダス。このチームが日本一になる日はやってくるのか? 悲劇のエース編の後編にご期待ください!!
【梅サト】『人生最大の嘘ついた』──完成できたのは嘘がなかったから
梅サトの『人生最大の嘘ついた』は毎月たのしんで読んでいるマンガなのだが、最新話を見るにもう最終回一歩手前のようだ。まだまだ前田くんたちの冒険ははじまったばかりじゃないかよ~。涙。涙。
こんないいマンガなのに、ツイッター(な~にがXじゃ。ペッペッ!)で宣伝してもどいつもこいつもいいねをよこさない。興味を示さない。なんて薄情なフォロワーが揃ったものだろう(いつもマンガとイラストをいいねRTしてくれるのはありがとう。いや見てくれるだけでもありがとう)。こりゃもうブログ記事にして勧めるっきゃねーぜ、ということでブログ記事にしました。
この先の内容なにも考えていません。いま、こうして書きながら次になにを書くかを考えています。まるで前田くんのパフォーマンスアートのようだ。
だいたいね~、わたしはこういう紹介記事を書くときにあらすじとか書けません。書いていると飽きてきて熱が冷めて自分がなにを主張したいかわからなくなってくるからです。買って読めばあらすじなんてわかるだろうが。あらすじをちょっと見て合うかどうかを知りたかったらAmazonのリンクから読め。出版社のひととかがたぶん書いているから。わたしが書くよりぜったいわかりやすいから。
このマンガについて、好きだな~ってなったのが、なんだろう。意外と絵柄なのかもしれない。主人公の前田くん、ヒロインの津崎さん、ライバル(?)の泉くん、なんか見ているだけで好きになるなあ。くっきり見やすい画で、空間の奥行きがあって、なんだか気持ちが澄んでくる。主人公の前田さんは、名探偵コナンのモブ容疑者みたいな顔なんだけど、カッコいいです。地味だけどすごくひた向きなところが見ていて応援できる。「自分の気持ちに正直に」っていう物語のテーマにすごく合ったタッチだと思います。
「ぴったりその時、そう思ったからかいたのだ。そう思わぬことを一ことを書かないところが僕の主義なのだ。」
(武者小路実篤『馬鹿一』)
前田さんは35歳まで画家志望でずっと頑張ってきたのだけどぜんぜん芽が出なかったわけじゃないですか(もうさっそく読んでいる前提になっている。てかこんな文読んでいる暇あったら『人生最大の嘘ついた』を読んでくれ)。わたしも好きなジャンルがあって、中学生の頃から、図書館に徒歩で通いつめたり、自分で創作したり、知見のある人に出会ったりして、掘り下げていったのだけど、月並みな感覚からはずれて孤独さが増すばかり。おれたちは仲間だ!(海賊王)と思った人たちも、ジャンルそれ自体より、飲み会の席で見栄を張り合ったり、つまらない冗談を飛ばしあったりしてるほうが、よほどたのしそうに見える。それに加えて、そこそこ付き合いがあったはずのひとが自作をまったく読んでいなかったことがわかって、上っ面の友だちづきあいのほうが大事なのか……と、完全にむなしさを感じていました。
この作品は、「正直な気持ち」に肯定的で、ジャンルをとりまく政治性のめんどくささに嫌気がさしていたわたしにはすごく刺さりました。2巻の第11話で前田さんが、一緒にアート制作を行った親子にたいして、「たのしかったですよね」というシーンがわたしはうれしくておもわずウルッときてしまった。現代ではけっこう見かけるテーマで、二次情報三次情報が入り乱れるSNS時代だからこそ醸造されるものかもしれないけど、「好き」だとか「たのしい」みたいな気持ちって、みんながSNSでつぶやいているほど内実がともなっていない感じがあって、だからこそ前田さんがアートと一緒に成長していく姿がわたしはうれしかったのです。
あー、もっと続き読みたかった。いや、最終回とはどこにも書いてなかったはずなので、もしかしたら予想外の第二部がはじまるかもしれないけど。連載作品にこういう気持ちになれたのって久しぶりで、愛着があったんだ。ここ数年続いていた悶々を取り払ってくれたもののひとつにはちがいないので、わたしにとっては一生ものの作品です。みんなも買って読もう。















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