鍋の中にはカルプフェン

こい(@gyaradus)のブログ

ミステリー

【米澤穂信】『ボトルネック』──主人公ははなまるうどんで満足すべきだった?

先週の読書会中、以前ブログでとりあげた「鬱漫画ランキング」の作者が「鬱小説ランキング」なるものを作っていたことを知った。会内では当初ぶっ飛んだ紹介文に注目が集まったが、しばらくすると、例によって「この中にあるこの作品ははたして鬱なのか?」…

【綾辻行人】『水車館の殺人』──人工的な世界は居心地よい

館シリーズの第2作『水車館の殺人』は、謎解きものとしての印象はあまり強くない。1作目の『十角館』、3作目の『迷路館』はともにメタ的な性質が強く、おどろく仕掛けも用意されている。それに対して、『水車館』は謎解きに関してこれといって新鮮といえ…

【綾辻行人】『十角館の殺人』──「謎解きのための謎解き」でべつにかまわない理由

綾辻行人はわたしにとってルーツといえる作家だ。これまで、「推理小説にはまったきっかけ」を語る機会は多くあって、「はじめて読んだ推理小説」「推理小説を読むきっかけとなったハマった推理ゲーム」など様々な切り口で、これが自分にとってのミステリ趣…

【アシモフ】『黒後家蜘蛛の会2』──2023年の抱負はブログ記事を短く書くことだ!

2022年は気合い入れてブログ書こうとしたら逆になんだかめんどくさくなってしまい、最終的につじつま合わせのため雑記事を連発するという残念な結果に終わってしまいました。2023年は無理せず短めな記事も書いていくことでこうした事態を避けたいと思います…

【クイーン】『ギリシャ棺の秘密』──2022年12月までに読んだ本からベスト20を発表!

昨日投稿した10月~11月分の読書録の記事を読めばわかるとおり、12月はポケモン漬けとなっており、5冊ピックアップできるほど本を読んでいません。しかし12月といえば、その年の総決算ともいえる月。そこで、今回は2022年に読んだ本からベスト20を選び、紹…

【笛吹太郎】『コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎』――2022年7月に読んだ本について

7月に読んだ本からとくに気になった5作品の紹介。 1.『黒後家蜘蛛の会1』(アイザック・アシモフ)黒後家蜘蛛の会1【新版】 (創元推理文庫)作者:アイザック・アシモフ東京創元社Amazon ミス研《リーズニング・クラブ》の7月の課題本。もともと気に入って…

【クリスティー】『謎のクィン氏』――2022年6月に読んだ本について

6月にミステリ短編『モノクローム・ドロップ』の制作を行った。そのうえで参考にした5作品の紹介を行う。 1.『謎のクィン氏』(アガサ・クリスティー)謎のクィン氏 (クリスティー文庫)作者:アガサ・クリスティー,嵯峨 静江早川書房Amazon ミス研《リーズニ…

【北村薫】『秋の花』――2022年5月に読んだ本について

5月に読んだ本からとくに気になった5作品の紹介。スティーヴン・キングをはじめ、「小説を書きたかったらとにかく小説を読むことだ」という作家は多いんだが、読んでたら書いているものについて自信をなくしたり、修正を加えたくなったりするのはあるある。…

【ミステリー】『モルグ街の殺人』他──新入生にオススメの推理小説40冊

1.『モルグ街の殺人』(エドガー・アラン・ポー) 最初の名探偵デュパン。現実にいそうな名探偵は、推理小説というジャンルがなかった時代に現れたこの男だけ!? ニューヨークでじっさいに起きた殺人事件にデュパンが挑む「マリー・ロジェの謎」、歴史あ…

【ミステリー】『アルファベット・パズラーズ』他わたしが影響を受けた50のミステリ

謎解きものを書くとき参考にしている作品。 1.エラリー・クイーン『ローマ帽子の秘密』 2.エラリー・クイーン『フランス白粉の秘密』 3.エラリー・クイーン『オランダ靴の秘密』 4.エラリー・クイーン『ギリシャ棺の秘密』 5.エラリー・クイーン『エジ…

【ミステリー】マリトッツォよりもマリトッツォみたいな味がするおやつコッペリッチミルク──パンにまつわる短編ミステリ3編を紹介

ローソンで販売されているおやつコッペリッチミルクというやつだ。 在日イタリア人のマンガ家?が「イタリアの味」などSNSで紹介してたので買ってみた。これがかなりおいしい。コッペパンに汁気たっぷりで、ひとかじりするたびにクリームがあふれていき、口…