鍋の中にはカルプフェン

こい(@gyaradus)のブログ

2023-01-01から1年間の記事一覧

【ショーペンハウアー】『幸福について』──すぐに「いいね」されないほうが逆によい?

いま読んでいる連載マンガの最新話の評価がどうも芳しくない。コメント欄を見ると、「オチがわからない」「絵の雰囲気でごまかしている」など、作品の構造を把握できていない意見が多く見られる。 これでは作品が浮かばれまい、と思って、わたしとしては珍し…

【トルストイ】『戦争と平和』──だれもが“物”になりたがっている

心に虚無がおとずれることがある。なににも集中できず、頭に浮かぶのは、広がる白地にΩ(空っぽな頭)のマークが記されているイメージだけ。とりあえず外を出歩いて、名前を知らない雑草が無秩序に生い茂っている様子を眺める。黒ずんだ雲が広がっている様子を…

目次〈文学〉

国文学 《平安文学》 『源氏物語』(紫式部) 「蛍」 「幻」 「雲隠」 『枕草子』(清少納言) 「十九 たちは」 「二六〇 御前にて人々とも」 その他 『紫式部日記』(紫式部) 『大鏡』(作者不明) 『更級日記』(菅原孝標女) 『成尋阿闍梨母集』(成尋阿闍梨母) 『…

【プリマジ】第7話 ツイッターが使えないのでプリマジを見てたら溶けた

ツイッターがとうとう使えなくなってしまいました。フォロワーさんたちとの愛にあふれた交流が終わってしまうなんて悲しくてたまりませんが、わたしの人生はまだまだ続きます。とりあえずプリマジ見ながらこころを癒すことにします。 にゃんともユカイ☆ソー…

【S・シン】『数学者たちの楽園』──2023年上半期の本ベスト10を発表!

タイトルに書かれている通り、これといった前置きはいれずにベスト10を発表していく。 第10位 『ナポレオンの剃刀の冒険』(エラリー・クイーン) ナポレオンの剃刀の冒険―聴取者への挑戦〈1〉 (論創海外ミステリ) 作者:エラリー クイーン 論創社 Amazon ラ…

【吉田兼好】『徒然草』「第41段」──ほんとうは劣等生の回顧録?

メモによると、5月28日に『徒然草』を読み終えたらしいが、その瞬間のことをおぼえていない。現代語訳ですでに既読済みだったし、その後もたまにちらほら読み返していたから、「これで終わった」という感触がなかったためかもしれない。 今回原文で読んでい…

【清少納言】『枕草子』「十九 たちは」──「たちは たまつくり。」

たちは たまつくり。 (清少納言『枕草子』) 枕草子(上) (講談社学術文庫) 作者:上坂 信男,神作 光一,湯本 なぎさ,鈴木 美弥 講談社 Amazon 6月中に『枕草子』を完読しようとちまちま読み進めていたら、こんな文章が出てきた。たちは たまつくり。この十九段…

【ショーペンハウアー】『読書について』「著作と文体について」──「流麗な文章」よりも深いことをいうためにはどうすべきか?

ニューコース参考書 中学国語 (学研ニューコース参考書) 学研プラス Amazon 学研のテキスト『ニューコース参考書 中学国語』を使って日本語を勉強している。日本語の文法の入門書として手頃な本をあちこちで探し回った結果、これがもっとも使いやすいと判断…

【紫式部】『源氏物語』「幻」「雲隠」──半年ともに過ごした友、死す

源氏物語 巻七 (講談社文庫) 講談社 Amazon 昨夜、『源氏物語』の「幻」を読み終わった。半年かけて読んできた源氏の物語がついにここで終わりを迎える。 この章は虚無にも似た静かさだけがある。前章「御法」で紫の上を喪った哀しみに暮れながら、源氏は自…

【米澤穂信】『ボトルネック』──主人公ははなまるうどんで満足すべきだった?

先週の読書会中、以前ブログでとりあげた「鬱漫画ランキング」の作者が「鬱小説ランキング」なるものを作っていたことを知った。会内では当初ぶっ飛んだ紹介文に注目が集まったが、しばらくすると、例によって「この中にあるこの作品ははたして鬱なのか?」…

【綾辻行人】『水車館の殺人』──人工的な世界は居心地よい

館シリーズの第2作『水車館の殺人』は、謎解きものとしての印象はあまり強くない。1作目の『十角館』、3作目の『迷路館』はともにメタ的な性質が強く、おどろく仕掛けも用意されている。それに対して、『水車館』は謎解きに関してこれといって新鮮といえ…

【綾辻行人】『十角館の殺人』──「謎解きのための謎解き」でべつにかまわない理由

綾辻行人はわたしにとってルーツといえる作家だ。これまで、「推理小説にはまったきっかけ」を語る機会は多くあって、「はじめて読んだ推理小説」「推理小説を読むきっかけとなったハマった推理ゲーム」など様々な切り口で、これが自分にとってのミステリ趣…

【モーパッサン】『脂肪のかたまり』──鬱な話は鬱な気分をたのしむためだけのものか?

「言葉フェチ」だの「読書中毒」だのと自称しているブロガーが叩かれている。《鬱漫画ランキング》なるものを発表して、その推薦文に「大嫌い」だの「焼却処分にしろ」だの嫌悪感を表した文章を添えたことで、反感を買っているようだ。 ツイッターでバズる推…

【仮名垣魯文】『安愚楽鍋』──物書きの「信念」ってなんぞや?  

安愚楽鍋 (岩波文庫) 作者:仮名垣 魯文 岩波書店 Amazon 仮名垣魯文の『安愚楽鍋』を帰りの電車の中で読み終えた。明治初期、都内の西洋料理店にやってきたさまざまな客たちが、牛鍋を食べながら、自らの体験談をだらだら話していく……という形式の戯作小説だ…

【ポケモンSV】S4シングル最終1457位──鉄槌!!剣舞テツノカイナ

ポケモンSVのランクマッチシーズン4が終了しました。最終レートは1912.195と、前期に続いてレート1900達成。最高レートは1960.873で、レート2000達成まであと2歩、最終3桁達成まであと1歩。12月の初ランクマ参戦から着実に実力を伸ばしていっています。 2ヶ…

【ポケモンSV】俺のフォレトス

俺のフォレトスは……、 まず、特性は「がんじょう」。理由は多くの人が考えていることだと思うが、キノコのほうしを無効化する「ぼうじん」よりも不意の炎テラスやハバタクカミ対面で確実に役割を遂行できてヘイラッシャの前に居座れる「がんじょう」の方が断…

【ポケモンSV】S3シングル最終2166位──鋼ドラパルトでぶち壊していけ!!

ポケモンSVのランクマッチシーズン3が終了しました。SVから初参加となるランクマッチですが、今回はじめてレート1900以上(1913.784)で最終日を迎えることができました。トレーナーとして進化が加速しています。 シーズン3の最終日付近では、セグカミ(セグレ…

【ホメロス】『イリアス』「第4歌」──上位存在からすると人間ちゃんは猫みたいなもの?

ゲームのやりすぎか身体がなまってきていたので、近くの海岸で身体を動かしてきた。息を切らしてベンチで読んだのは、ホメロスの『イリアス』だ。この前、ここで読んだのはヘミングウェーの『老人と海』だった。このふたりを並べるのはおかしな感じがするが…

【スピノザ】『エチカ』「第三部」──SNSの誕生祝いとかいう孤独を加速させる文化

一昨日くらいから頭痛が酷くて、すべてにおいて無気力になっている。気圧がかわったわけでもショックな出来事があったわけでもないため、どう考えてもポケモンSVをやらなくなったことによる離脱症状である。アルコールにしろカフェインにしろ、こういうので…

【鎌倉文学】『徒然草』「第231段」──「○○周年を記念して~」みたいな体裁で企画がはじまるめんどくささ

FFの信国さんがツイッターでエラリー・クイーンの長編ATB企画をやっている。「ドルリー・レーンシリーズ完結90周年を記念」らしいが、なにが記念すべきことなのか意味がわからない。こんなんいいはじめたら、「ドルリー・レーンシリーズ生誕○○周年記念」「国…

【鳥山明】『ドラゴンボール 24巻』──フリーザの圧倒的な“力”に救いを求めている

マキシマム・ザ・ホルモンの「F」は、マンガ『ドラゴンボール』の悪役であるフリーザのテーマソングだ。 爪爪爪/「F」 アーティスト:マキシマム ザ ホルモン バップ Amazon イントロが始まってすぐにオウム真理教における殺人の隠語「ポア」がなんども繰り返…

【紫式部】『源氏物語』「蛍」──玉鬘が“物語論”をきかされる相手だった理由

瀬戸内寂聴訳の『源氏物語』6巻をそろそろ読み終わりそうなので、残る7巻~10巻を買いに近所の書店にいったが、置いていなかった。 それではまだ下巻しか読んでいない『枕草子』の上と中を買っておこう……と思ったら、講談社学術文庫のコーナーが棚ごとなくな…

【鎌倉文学】『徒然草』「第58段」──封印~さらば、ポケモンSV~

「道心あらば、住む所にしもよらじ。家にあり、人に交はるとも、後世を願はんに、かたかるべきかは」と言ふは、さらに後の世を知らぬ人なり。げには、この世をはかなみ、必ず生死をいでんと思はんに、なにの興ありてか、朝夕君につかへ、家をかへりみる営み…

【鎌倉文学】『徒然草』「第111段」──ポケモンのランクマッチは死刑レベルの悪事だった!?

はーー、飽き性なわたしのことだから、ポケモンSVのランクマッチもすぐに飽きるだろうと思っていたが、3ヶ月ずっと飽きないままだ。おかげで最近は3桁順位に入ることも珍しくなく、新鮮味もなくなってきた。 ↑この前騒いでいたときよりも順位が高い 人生は短…

【デレステ】『高森藍子のメモリアルコミュ4~5』──高森藍子はパワー6000のエンジェル・コマンドだった

高森藍子のメモリアルコミュ1の感想https://kurpfen.hatenablog.com/entry/2023/02/01/194115?_ga=2.111266631.272778124.1674852529-1828440273.1553676710 高森藍子のメモリアルコミュ2~3の感想https://kurpfen.hatenablog.com/entry/2023/02/02/203512?_…

【デレステ】『高森藍子のメモリアルコミュ2~3』──藍子は空振り保険ラウドボーンのうたうが3連続で命中しても笑って許してくれる?

↑ねこさんですねぇ!!(その2) 前回の記事(https://kurpfen.hatenablog.com/entry/2023/02/01/194115?_ga=2.111266631.272778124.1674852529-1828440273.1553676710)に続いて、高森藍子のメモリアルコミュの感想を書き連ねていきます。さりげなく藍子のファ…

【ポケモンSV】S2シングル最終3764位──ともに戦い抜いた6匹のメンバーを紹介!!

ポケモンSVのランクマッチシーズン2が終了しました。SVから初参加となるランクマッチですが、なんとかシングル最終3764位を達成することができました。ちなみに最高順位は727位だったのでこれからしばらく727位を自称します。 シーズン1では環境をメタろうと…

【デレステ】『高森藍子のメモリアルコミュ1』──高森藍子には悪を浄化する作用がある

↑ねこさんですねぇ!! わたしの好きなデレマスのアイドルといえば、高森藍子です。担当してるのは堀○子さんですが、藍子も好きです。しかし、いつからわたしは藍子が好きになったのか……冷静に考えると、よく思い出せません。メモリアルコミュをみながら、振…

【カクヨム】『死人とサーカス』──[感想②]首切り講義のうち作例を見たことがないもの

ツイッターのFFであるカワカミさんが、『死人とサーカス』という本格ミステリをカクヨムで連載している。この度完結したということなので、前回の記事に続いて、内容を整理しながら推理を進めていく。 https://kurpfen.hatenablog.com/entry/2022/08/27/0505…

【チャンドラー】『ロング・グッドバイ』──こちらが病んでるときはだれも声なんてかけてくれない

ここ最近、精神が疲弊しきってしまって、気晴らしにポケモンのランクマッチをやるくらいしかできていない。いちおう目標の3桁に到達したが、それでなにかが変わったというわけでもなく、周囲の人間たちの無関心ぶりが確認できただけだった。 ときどきSNS上で…