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こい(@gyaradus)のブログ

【平安文学】『源氏物語』──2022年11月に読んだ本について

 ついさっき10月分の読書を振り返ったばかりだが、いまからまたしても瞬足巧打(とは??)で11月分の読書を振り返っていく。

 

1.『エジプト十字架の秘密』(エラリー・クイーン

 ミス研《リーズニング・クラブ》の10月の課題本。なかなか茶番劇じみた愉快なドラマも含まれているが、作者であるクイーンがどのように読者を引きつけようとしていたかについて注目が集まった。使い古されたトリックにロジック成分を加えることであらたなおもしろさを付与する、といった部分も重要。


2.『讃岐典侍日記』(藤原長子)

 すでにブログ内で紹介済みだが、新型コロナウイルスで息絶え絶えだった自分には、作品全体が帯びた哀しみと空虚が突き刺さるように感じられた。日記の成立から数年後、藤原長子が精神錯乱になり、「堀河天皇の霊が乗り移った」と発言していたという解説にはゾッとさせられた。


3.『枕草子』(清少納言

 すでにブログ内で(以下略)。見え張りなところはあるが、ポジティブで前向きな本。


4.『宇治拾遺物語

 

 平安女流文学はあらかた読んだので、次は鎌倉説話文学だろう、ということで手を伸ばした。なんだか2ちゃんねるのコピペっぽいというか、アングラな感じに驚かされる。平たくいえば、「うんち」とか「ちんちん」の話が多い。基本的にきらびやかな雰囲気のあった平安女流文学とのギャップにおどろかされた作品。


5.『源氏物語』(紫式部

 古文を勉強したならやはりこれでしょう、ということで瀬戸内寂聴訳のものを手に取った。「蓬生」まで読んだが、抜群におもしろい。「古文はいまも昔も人間は変わらないことを知るために学ぶ~」みたいな話には懐疑的だが、この作品に関しては、どの登場人物も現代の人間と変わらないような精彩を放っている。とくに今回驚いたのは末摘花の人物造形で、これは現代でも見かけるような「味方のいない子」じゃないかと思ったが、これは気が向いたらべつの記事で語るとしよう(瞬足巧打を無視しているので。あと六条御息所のうらみが増幅していく流れや、夕顔が男受けする仕組みなど、話したいことは尽きない)。

 

 

その他11月の活動

 11月中は高校日本史のうち、「中世」を中心に勉強した。身近なもののルーツがどのようなところにあるのかを考えていくと、「文化史」や「経済史」も面白くなってくる。前回の記事で触れたように、11月18日から『ポケットモンスター スカーレット』にどハマりしてしまい、12月はまともに勉強も読書も進んでいないのだが、記事はどうすればよいのだろう……。